人気ブログランキング | 話題のタグを見る
「ナラタージュ」島本理生
「ナラタージュ」島本理生_c0045523_16163438.jpg以前、新聞に載っていた島本理生さんの文章を読んで
「いいな、いいなこのひと」と強く感じ、島本理生を読みたいと思っていた。確か高校から大学に入る頃までのことが、その時の感情、その時の風景、その場が、鮮明に描かれていた。
(島本さん若いから近い過去ね)
高校に通う時の川の風景が描かれていて、「ナラタージュ」の
冒頭の「水辺の近くが好き」と重なった。



主人公・泉は、大学生。高校の時の演劇部の顧問、葉山先生のことが好きだった。
部員が3人しかいない演劇部を手伝って欲しいと、葉山先生に頼まれ先生と再会する。

泉は葉山先生を痛烈に好きだったのに、淡々と回想する。
淡々とした文章なのに、風景描写が多くて、始めのうちは読み難かった。
しかし、中盤からは一気だった。

泉は演劇部の友人の友人の小野君と付き合うことにする。
小野君に切望されたし、泉も小野君と一緒にいると楽しいと感じたからだ。
でも・・・上手くいかなかった。
あんなに、優しくって誠実な小野君だったが、泉の気持ちを量ることは出来ない。
自分はこんなに一生懸命なのに、あの先生の方が大事なのかと・・・

葉山先生はずるい。先生も泉のことが好きで、必要としているのに、
「あなたが困っていたら助けたい」という泉に対し甘えすぎだ。

泉は先生が好き、先生も泉が好き。でも、先生はワケあり。泉は他の人と付き合うが
上手くはいかない。お互いに気持ちは通じ合っているのに別れる。
切ない、ありがちな恋愛物語だ。が、こんなに心が揺さぶられるのはなぜだろう。
そこが作者の上手さなんだろう。恋愛ものは、自分自身とシンクロしがちだから
感情は入りやすい。自分にとっての葉山先生は誰か、
本を閉じた後、回想するでしょう。(みなさん)
by nonki27 | 2007-02-03 16:18 | よむ
<< 「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦 3年目突入!! >>


のりのり27 のん気に行こう  
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
ライフログ
カテゴリ
全体
日々
野球
よむ
みる
はな
美技
めん
タグ
(50)
(33)
(18)
(18)
(17)
(14)
(12)
(10)
(9)
(9)
(9)
(9)
(8)
(8)
(7)
(7)
(7)
(6)
(6)
(6)
(6)
(6)
(5)
(5)
(5)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(3)
(3)
(3)
(3)
(3)
(3)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
以前の記事
2021年 03月
2020年 12月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
more...
最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
記事ランキング