私も常に考えている。
例えば、今日会社で起こった“ムカつく”こと。 なぜ?あの人はあの場面で、あんなことを言うのか、やるのかを 家に帰ったから考える考える。自分の取った行動もあれでよかったか もっといい方法はなかったかと。 あと、読んだ本や、野球のこと・・・色々と考えている。 池田晶子さんは「哲学」という言葉をできるだけ使わないようにしている。 「哲学」という言葉を使うと「哲学」というものがあるように、人は思ってしまうので 「考える」と言う。私だって考えていると人は言う。 ≪そういうときに人が言う「考える」というのは、ほとんどの場合、考えているのではない。その言い方によって、人は何をしているかというと、まず間違いなく「悩んで」いるのである。「考える」という言い方で、人は「悩んで」いるのである。しかし、「考える」ということと、「悩む」ということは全然違う。いやむしろこう言っていい、人は、きちんと考えていないからこそ、ぐずぐず悩むのである。≫ この部分を読むと、私は考えてなどいない、思っているだけだと気づく。 「哲学」というもがあるのではなく、「考える」ことしかない。 「考える」ということ。自分で考えるしかない、と言うことを 非情に強く、強く、教えられた。 この本は、週刊誌の連載コラムをまとめたもので、時事問題や 耳にしたニュース等を切り口に書かれているため読みやすい。 読んでいくると自分の中にある、ある部分が妙に刺激され、今までとどかなかった 痒い所に手がとどいた感じがして、なるほど、そうか、と唸るばかりだ。 神とか宇宙とかその類いの話って、なんだかアブナイそっちの話と思ってしまう。 それってなぜ? ≪脳とか神とか宇宙とか、そういった事柄を諧謔なく語るのはアブナイ。なぜなら、人は、 そういった事柄を、諧謔なく聞くからである。≫なるほど、当人の自覚、本気ととる人も諧謔ととる人もいる。「たんに本気」になることがアブナイのかもしれない。 池田晶子さんの文章を読んでいると、ちょっと極端かな、とは感じられる 部分はあるが、押し付けがましさも、上からものを言っているようにも全く感じられない。 偉そうだとも感じない。それは≪真実は、万人にとって真実であることで真実だからである。 「自分の」意見は、「その人の」真実なのであって、万人とっての真実ではない。≫と 人はそれぞれ違う、違う価値観、違う世界で生きているということを前提に語っているからだ。 そして、潔さや覚悟が感じられる。≪もの書きを自分の仕事と決めてから、ずっとこの闘いを 闘ってきた。「正しい言葉」のためのルートを組織の力にも人脈の力にもよらず、独力で切り開いてきたのである。≫ 苦しみについては≪あれこれの出来事や境遇を苦しみや喜びと思う、そのことが錯覚なのだ。苦しいのは、それを苦しいと思っている自分であって、それらの事柄自体が苦しみであるのではない。「気持ちのもちよう」とは、そういうことだ。あれこれの外的な事柄に動じることのない不動の自己を保つこと、これが人生の苦しみを苦しみでなくする唯一の方法に違いない。≫と書かれている。 ここまでの考えに辿り着くには、凡人の私には相当時間が掛りそうだ。(ムリだ) だが、なにかのヒントを得たようなそんな徳をした気分になる。 だからこれからも〝池田晶子〟を読もう。 ≪私は何が嫌いといって、卑怯なことが何よりも嫌いなのである。≫と 言うところを読んで思わずガッツポーズ。 私も何より卑怯なことが大嫌いです。
by nonki27
| 2007-08-14 14:40
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