出会って三年、御年四十五歳のふたり。
世間ではおじさん、おばさんと呼ばれる年だ。 大それたことはしない、起こらない、慎ましやかに同じ時間を共有するだけ。 慈雨の仕事は花屋、栄の仕事は予備校の講師、教えるのは国語。 このふたりの生活というのか、日常というのか、日々のラブラブが延々続くお話。 出会ってからの話だから、付き合うまでの駆け引きみたいなことや、 何かふたりに起きる事件や事が全くなく、そう、普通何も起きない話でも 何かしらストーリーがあるけどこの物語には、ない、そういうことはない。 慈雨の家族のことが時折出てくる程度。 栄は極度の乗り物酔いで、自転車でいける範囲だけしか動かない。 遠足にも一度も行ったことがない。狭い世界しか知らない男なのだ。 だけど色々な土地について鮮明に話をする。 そこを、行った事もないのに、実際に行ってみなきゃとか、そんなことを 慈雨は思わないのだ。どこにでも行ける人と感じる。このふたりは合う、合っている。 こういう、言葉では表せない、〝合っている〟感じを言葉で表現する。 そこが山田詠美なのです。 ≪彼は、とっても親切だ。体ばかりか、色々なものを私に投げ出してくれる。 その素敵な投げやり具合。自分の世界を大事にしないって美しい気がする。 こだわり、なんてもの魅力のひとつと思っているその辺の男とは次元が違う。≫ 店のバケツにゴミを投げられたシーン。 「うるせえんだよ、ばばあ」 ・・・・・・ 「あんただよ」 ここは笑えました。ばばあ・・・わが身を振りかえりましたよ。 もうばばあだよばばあでいいじゃん。 エドはるみのギャグだよね~アッハハ~ ≪婦人が誰でも通る道ですよ。そうして諦めというものを学んで行くのです。≫と、 ばばあの先輩の言葉。
by nonki27
| 2008-05-24 20:29
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