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「無銭優雅」山田詠美
「無銭優雅」山田詠美_c0045523_11362264.jpg出会って三年、御年四十五歳のふたり。
世間ではおじさん、おばさんと呼ばれる年だ。
大それたことはしない、起こらない、慎ましやかに同じ時間を共有するだけ。





慈雨の仕事は花屋、栄の仕事は予備校の講師、教えるのは国語。
このふたりの生活というのか、日常というのか、日々のラブラブが延々続くお話。
出会ってからの話だから、付き合うまでの駆け引きみたいなことや、
何かふたりに起きる事件や事が全くなく、そう、普通何も起きない話でも
何かしらストーリーがあるけどこの物語には、ない、そういうことはない。
慈雨の家族のことが時折出てくる程度。

栄は極度の乗り物酔いで、自転車でいける範囲だけしか動かない。
遠足にも一度も行ったことがない。狭い世界しか知らない男なのだ。
だけど色々な土地について鮮明に話をする。
そこを、行った事もないのに、実際に行ってみなきゃとか、そんなことを
慈雨は思わないのだ。どこにでも行ける人と感じる。このふたりは合う、合っている。

こういう、言葉では表せない、〝合っている〟感じを言葉で表現する。
そこが山田詠美なのです。

≪彼は、とっても親切だ。体ばかりか、色々なものを私に投げ出してくれる。
その素敵な投げやり具合。自分の世界を大事にしないって美しい気がする。
こだわり、なんてもの魅力のひとつと思っているその辺の男とは次元が違う。≫

店のバケツにゴミを投げられたシーン。
「うるせえんだよ、ばばあ」
・・・・・・
「あんただよ」

ここは笑えました。ばばあ・・・わが身を振りかえりましたよ。
もうばばあだよばばあでいいじゃん。
エドはるみのギャグだよね~アッハハ~

≪婦人が誰でも通る道ですよ。そうして諦めというものを学んで行くのです。≫と、
ばばあの先輩の言葉。
by nonki27 | 2008-05-24 20:29 | よむ
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