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「〈新釈〉走れメロス他四篇」森見登美彦
「〈新釈〉走れメロス他四篇」森見登美彦_c0045523_1635337.jpg〈新釈〉・・・?とな?
一体どの様な物語なのか、想像もつかぬ。





あの名作を、森見登美彦がリミックスする!?
正直、山月記/薮の中/走れメロス/桜の森の満開の下/百物語これらの名作が
どんな内容だったか思い出せないし、堅いの難しいの?と構えてしまった。
読み始めたら「わーいわーい」って感じ、面白くって心躍って来ました。

京都が舞台で、阿呆な大学生が登場する、大好きなお話。
留年を続ける、卒業の見通しが立っていない。そんなことは屁とも思わない。
≪見通しが立たないというよりも、うかうかと見通しを立たせることを潔しとしないという。≫
小説を書いている斎藤秀太郎という男。その風変わりな斎藤秀太郎が鍵となる。

<桜の森の満開の下>が面白かった。
男は小説を書くのが好きだった。尊敬する斎藤秀太郎に小説を読んでもらっていた。
男はある女に出会う。女は斎藤秀太郎に小説の意見を求めることをやめるよう言う。
女の言う通り女のことを小説にすると新人賞に入選してしまう。
それから男の生活は一変していく。京都から東京の暮らしに変わっていく。
有名な作家になった男。
女の言うことは正しいでも、男には腑に落ちない。
何かを失った気がするが、何なのか、夢みた方向に進んでいるのか男にはわからないのだ。

鴨川デルタや詭弁論部、学園祭の炬燵・・・・パンツ番長も出てきて
森見ファンには堪らない〈新釈〉リミックス集であった。
by nonki27 | 2008-09-21 15:59 | よむ
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