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「論理と感性は相反しない」山崎ナオコーラ
「論理と感性は相反しない」山崎ナオコーラ_c0045523_20581622.jpg書き下ろしの短編集。
物語の長さはまちまち、短いものは3ページほどだし、
突然バンドの年表が出てきたり
前の話に出て来た登場人物がまた、出て来たりで、
話が続編なのか、どんな話かワクワク
させたりで、なんでもありの実験的な小説集かと思った。





神田川と真野は学生からの知り合いで、会社員になってから付き合い、24歳で一緒に
暮らし始める。神田川は理論的な説明をするのが不得手。感性を爆発させて喋っている時
に、相手もこっちの感性に合わせようとすることに怒りを覚える。
≪お前の耳で聞け≫≪わかり合うことなんて、全然求めていない。好き合うことを求めているのだ。≫
神田川と真野は3年後に別れる。この物語の2人は後にも登場する。
矢野マユズミという若手作家の話も面白い。小説家としての自分か、一人の女の子
としての自分か?
小説家としての目で相手を見てしまう。そこのねじれみたいな気持が上手く描かれている。
小説家のプライベート真理、作者ならではの作品だ。

小学生の男の子が主人公の「恐怖の脅迫状」も良かった。
男の子がクラスの女の子からチョコレートとラブレターを貰う。
小学生の男の子にしたら面倒で迷惑なこと。男の子の本心、先生や女の子の友人の
行動にうんざり、男の子は冷静に人の心を読んでいる。
友人に≪怖い≫って言うんだよね。大人だと言えないけど・・・≪怖い≫って
正解の言葉だね。

「あとがき」に描かれていた。≪自由に。遊び心満載に。ふざけにふざけました。でも、手は込んでいます。≫
この短編集はそんな本だ。
ナオコーラちゃんは小説を書く意気込みを強く主張する。そういうのってイヤな
感じを受けたりするじゃない、小説が面白ければそれで評価するし、小説家の強い気持
なんて知らなくていいと・・・でも、ナオコーラちゃんはOKなんだよね~。
どーしてだろう?

純粋な素直な気持があふれているからだろうか。
by nonki27 | 2008-11-03 14:50 | よむ
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