書き下ろしの短編集。
物語の長さはまちまち、短いものは3ページほどだし、 突然バンドの年表が出てきたり 前の話に出て来た登場人物がまた、出て来たりで、 話が続編なのか、どんな話かワクワク させたりで、なんでもありの実験的な小説集かと思った。 神田川と真野は学生からの知り合いで、会社員になってから付き合い、24歳で一緒に 暮らし始める。神田川は理論的な説明をするのが不得手。感性を爆発させて喋っている時 に、相手もこっちの感性に合わせようとすることに怒りを覚える。 ≪お前の耳で聞け≫≪わかり合うことなんて、全然求めていない。好き合うことを求めているのだ。≫ 神田川と真野は3年後に別れる。この物語の2人は後にも登場する。 矢野マユズミという若手作家の話も面白い。小説家としての自分か、一人の女の子 としての自分か? 小説家としての目で相手を見てしまう。そこのねじれみたいな気持が上手く描かれている。 小説家のプライベート真理、作者ならではの作品だ。 小学生の男の子が主人公の「恐怖の脅迫状」も良かった。 男の子がクラスの女の子からチョコレートとラブレターを貰う。 小学生の男の子にしたら面倒で迷惑なこと。男の子の本心、先生や女の子の友人の 行動にうんざり、男の子は冷静に人の心を読んでいる。 友人に≪怖い≫って言うんだよね。大人だと言えないけど・・・≪怖い≫って 正解の言葉だね。 「あとがき」に描かれていた。≪自由に。遊び心満載に。ふざけにふざけました。でも、手は込んでいます。≫ この短編集はそんな本だ。 ナオコーラちゃんは小説を書く意気込みを強く主張する。そういうのってイヤな 感じを受けたりするじゃない、小説が面白ければそれで評価するし、小説家の強い気持 なんて知らなくていいと・・・でも、ナオコーラちゃんはOKなんだよね~。 どーしてだろう? 純粋な素直な気持があふれているからだろうか。
by nonki27
| 2008-11-03 14:50
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