穂村さんこんなことしてるんだ、こんなこと考えているんだ。
穂村さんの頭の中を言葉にしたエッセイ集。 ≪本物の人生だけのリアルな醍醐味って、この汚くて変な現実のどこにどんなかたちで存在するんだろう。どうすればそれに触れて、味わうことができるのか。私にはわからない。≫ 私はこの短歌がとてもすき。 ≪こんなめにきみを合わせる人間は、ぼくのほかにはありはしないよ≫ これはかなり深い恋愛の歌だと思っていた。 えっ… 江戸川乱歩の明智君の台詞から作られたとは(驚)。 私は穂村さんの書評がすき。 本読みのスピードが遅い穂村さん。 一冊を書評するのに、本当にその一冊読めばいいのか、過去の作品のを読まずして 書評していいものなのか、疑問だった。 豊崎由美さんに聞いてみた。 初期の作品と近作を数冊、それと代表作をおさえればよいとのこと。 だが、作品を褒めるのではなく批判するときにはと聞くと… その場合、全作目を通さないとまずいとの答えが。さすが本読みのプロ。 ≪全部読んで批判するという愛は凄いものだ。≫ 普通列車「絶望」行。 穂村さんSEをしていたころ、月曜日の朝、嫌、嫌、嫌と思いながら歩いていたら 前を歩く先輩が、不意にしゃがみ込んだ。 数秒間しゃがんで何事もなかったように歩き出した。 会社を休むとか逃げるではなく“しゃがむ”その行為に悲しさ怖さを感じた。 ≪大人の男がしゃがみ込んだあの姿が、「いっぱいいっぱい」がかたちとして見えたあの瞬間≫ その「いっぱいいっぱい」に共感してしまう。 私は電車の中で「いっぱいいっぱい」がブチっと切れた。 通勤電車で顔色を変えずに黙って会社まで行く皆さん。苦痛に耐え着いたらまた苦痛か。 その人たちに比べたら私は、辛抱強くなかったのだろうか。 弱い人間なのか。逃げた。 ≪でも、「何かを本当にやりたい」の時点で私は既に自信がないのだった。≫ 穂村さんはこう書いている。 こんなことを穂村さんが言葉にする。そうしたら私はそうそうと強く共感してしまうのだ。 あぁ穂村さんを読むと考える考える。
by nonki27
| 2010-06-28 09:48
| よむ
|
のりのり27 のん気に行こう
ライフログ
カテゴリ
全体日々 野球 よむ みる はな 美技 めん タグ
東野圭吾(50)
伊坂幸太郎(33) 奥田英朗(18) 穂村弘(18) 山崎ナオコーラ(17) 真保裕一(14) 瀬尾まいこ(12) 角田光代(10) 小川洋子(9) 池田晶子(9) 森見登美彦(9) 森達也(9) 桐野夏生(8) さくらももこ(8) 津村記久子(7) 三浦しをん(7) 新選組(7) 山田詠美(6) 横山秀夫(6) 鷺沢萠(6) 嶽本野ばら(6) 垣根涼介(6) 宮部みゆき(5) 東直子(5) 吉田修一(5) 絲山秋子(4) 百田尚樹(4) 野球(4) 西村賢太(4) 長嶋有(4) 川上未映子(3) 原宏一(3) 三崎亜記(3) 群ようこ(3) 増田明美(3) 山本文緒(3) 恒川光太郎(2) 久坂部羊(2) 桜庭一樹(2) 町田康(2) 古田敦也(2) 天童荒太(2) 原田宗典(2) 佐藤多佳子(2) くらもちふさこ(2) 島本理生(2) 中村文則(2) 夏目漱石(2) 道尾秀介(2) 乃南アサ(2) 白岩玄(2) 松本人志(2) 宮本輝(2) 米山公啓(2) 荻原浩(2) 益田ミリ(2) 湊かなえ(2) 綿矢りさ(2) 木内昇(2) 西川美和(2) 有川浩(2) 林真理子(2) 村上龍(1) 多島斗志之(1) 多和田葉子(1) 太宰治(1) 大道珠貴(1) 池井戸潤(1) 竹山道雄(1) 中島京子(1) 朝井リョウ(1) 朝倉かずみ(1) 長岡弘樹(1) 辻仁成(1) 田村裕(1) 田中慎弥(1) 田辺聖子(1) 藤沢周(1) 白川道(1) 舞城王太郎(1) 以前の記事
2021年 03月2020年 12月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 more... 最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
記事ランキング
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||