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「巡礼」橋本治 
「巡礼」橋本治 _c0045523_9234486.jpgワイドショーで放送されるほどの「ゴミ屋敷」。
近所の人たちのストレスといったら相当なものだ。
市役所に何度訴えても、私有地だから何もできないという。
テレビで放送されたらどうにかなるかと思う近所の人々。




しかし、何も変わらない。

ゴミの中の住人は、それをゴミだと思っていないのだから。

ゴミ屋敷の住人、その人はだれ?いつからこうなった?
昔は何か商売をしていたような…近所の人たちの記憶は薄い。

そしてこのゴミ屋敷の住人、忠市の家族の話が始まる。
両親と弟の四人家族で、戦争が終わった時、忠市は中学一年生だった。
家は荒物屋だった。荒物問屋に就職し働き、家を継いだ。
戦後から時代はどんどん変わっていく。
畑は無くなり家が建ち、町ができ交通も発達する。
住み込みで働くのが当たり前の時代から、一時間以上かけて通勤するのが当たり前になる。
時代の移り変わりとこの一家の歴史が、細かく描かれていてそこが切ない。
誰が悪いわけではないから。

そしてゴミ屋敷になってしまうのだが…。

さて、このゴミ屋敷どうなるのかは…、読んでみてください。

≪人に「無意味」を指摘されたくなかった。人に指摘されたくはない。しかし忠市は、自分のしていることが無意味で甲斐のないことだと、根本では理解していた。≫

≪自分はもう、ずいぶん昔から、ただ意味もなく歩き回っていたのかもしれない≫

ゴミ屋敷のことは最近ワイドショーでよく耳にする。
昔からあったのだろうか最近の傾向か、わからない。
このごろ時代の流れって凄く感じる。

私世代でこんなに感じているのだから、親の世代、戦後を生きた人はもっと痛切だろう。

昔は、金物屋さんがあった、酒屋さんも米屋さんも…気づけばみんななくなっている。
この忠市の家とどこの家も同じだったと思う。
いろいろあるよ時代は変わっていく、ゴミ屋敷にはならないけど。
この物語は戦後生きた普通の家のゴミ屋敷を通しての、歴史物語だと思う。
by nonki27 | 2010-10-04 09:19 | よむ
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