ワイドショーで放送されるほどの「ゴミ屋敷」。
近所の人たちのストレスといったら相当なものだ。 市役所に何度訴えても、私有地だから何もできないという。 テレビで放送されたらどうにかなるかと思う近所の人々。 しかし、何も変わらない。 ゴミの中の住人は、それをゴミだと思っていないのだから。 ゴミ屋敷の住人、その人はだれ?いつからこうなった? 昔は何か商売をしていたような…近所の人たちの記憶は薄い。 そしてこのゴミ屋敷の住人、忠市の家族の話が始まる。 両親と弟の四人家族で、戦争が終わった時、忠市は中学一年生だった。 家は荒物屋だった。荒物問屋に就職し働き、家を継いだ。 戦後から時代はどんどん変わっていく。 畑は無くなり家が建ち、町ができ交通も発達する。 住み込みで働くのが当たり前の時代から、一時間以上かけて通勤するのが当たり前になる。 時代の移り変わりとこの一家の歴史が、細かく描かれていてそこが切ない。 誰が悪いわけではないから。 そしてゴミ屋敷になってしまうのだが…。 さて、このゴミ屋敷どうなるのかは…、読んでみてください。 ≪人に「無意味」を指摘されたくなかった。人に指摘されたくはない。しかし忠市は、自分のしていることが無意味で甲斐のないことだと、根本では理解していた。≫ ≪自分はもう、ずいぶん昔から、ただ意味もなく歩き回っていたのかもしれない≫ ゴミ屋敷のことは最近ワイドショーでよく耳にする。 昔からあったのだろうか最近の傾向か、わからない。 このごろ時代の流れって凄く感じる。 私世代でこんなに感じているのだから、親の世代、戦後を生きた人はもっと痛切だろう。 昔は、金物屋さんがあった、酒屋さんも米屋さんも…気づけばみんななくなっている。 この忠市の家とどこの家も同じだったと思う。 いろいろあるよ時代は変わっていく、ゴミ屋敷にはならないけど。 この物語は戦後生きた普通の家のゴミ屋敷を通しての、歴史物語だと思う。
by nonki27
| 2010-10-04 09:19
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