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「掏摸」中村文則
「掏摸」中村文則 _c0045523_9391430.jpg主人公の僕は、どうやらプロのスリ師のようだ。
巧みな指のこなしでポケットから財布を抜く。
狙うのは裕福そうな人、お金を抜いて財布はポストに入れる。
そうすれば財布・カード他は相手に戻る。




財布はその人を映す鏡のようなものかもしれない。
カード・免許証・会員証・レシート…
財布にはその人の生活も出るし、人格まで表れてしまう。

「最悪」の男と再会し、3つの仕事を命ぜられる。
ある男の携帯電話を取れ、ライターを取れ、書類を盗め。
利用価値のあるものは利用する。闇社会に生きる男から逃げることはできない。
スリの技術やその行為の描写は読みごたえがあるが、
全体的なストーリーは、不自然な気がする。

子供に万引きさせる母親が出てくる。
子供が万引きを見つかりそうになるところを助けたり、
諭したりするシーンがあるが、どこか同じシーンを見たり読んだりしたことが
あるような気がしてならない。
読んでいて終始読んだことがあったような感じが拭えなかった。

その3つの仕事の裏には、世間を驚かすような大きなことへとつながるようだ。
≪これからこの国は面白くなるぞ。利権にボケた権力者の構造が、大きく変わる。劇的に!庶民にも凄まじい影響が出る…≫
しかし、そこがまったくスリとつながらない。取って付けたようなその部分。

反社会的なスリが、社会的な何かに関わることを描きたかったのか?
ストーリー的には不自然な気がした。
by nonki27 | 2010-11-10 09:33 | よむ
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