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「自閉症裁判 レッサーパンダ帽男の『罪と罰』」佐藤幹夫
「自閉症裁判 レッサーパンダ帽男の『罪と罰』」佐藤幹夫 _c0045523_116594.jpgこの事件は2001年4月、浅草で起きた。
ただ道を歩いていただけの女子大生が、包丁で刺された、その残虐さと犯人がレッサーパンダの帽子を被っていたことで、今も忘れることのない事件だ。




犯人は軽度の知的障害をもっていた。

裁判のやり取りを読んでいると、この男は自分の起こしたこの事件を分かっているのか。
どの程度理解しているのか、疑問を感じてしまう。
「…ですか」「…はい」と答える。
警察の取調べではすらすらと答え、問題はなかったそうだ。
警察官は判断力がある普通の人と変わりない対応をした。
検察のシナリオ通り…に進んだのか。

犯人の罪は重い。何の落ち度もない偶然そこにいた人の命を奪ったのだ。

このルポを読んでの印象は、この男は起こした事件の罪が分かっているのか、そもそも自分が何をしたのか分かっているのか、ご遺族の悲しみが分かるのか。
「罪を償っていかないといけない」
「申し訳ないと思っている」と謝罪の言葉を語っているが、反省している心からの言葉なのか、
分からない。

障害のことや障害の程度について良く解っていない、読者とし感じられるのは、
手ごたえがないと言ったらいいのだろうか、強く感じるものが沸いてこないのだ。

犯人は母親を亡くし、父と妹弟がいる。
父親は金銭感覚がなく、生活が成り立っていない。妹が一家を支えていた。
犯人は妹が稼いだお金を持ち出しては、家出を繰り返していた。
事件直後この家は、水道代、電気代も滞納し、食うや食わずの状態で、妹は大病をを患っていて、入院費も払えない。

「今まで生きていて何一つ楽しいことがなかった」という若い女性。

余命一ヵ月半と告げられ、残りの人生楽しいことをしようと支援者が立ち上がった。
障害者手帳もない、生活保護も受けていなかった。

ディズニーランドに連れて行ったり、温泉に行ったり、妹さんの望みを叶えるため、支援者が奔走する。最後には人並みの生活を味わい、7ヵ月後に25才で亡くなった。

兄が事件を起こしたことで、この妹さんは保護された。
安易な言葉で言ってしまうと人生どんなきっかけで、どうなるか分からないということか。
一人の女性が亡くなっているのだ。その人の縁や繋がりや出会いが何とも…言う事ができない複雑な気持ちだ。
by nonki27 | 2011-03-07 11:04 | よむ
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