人気ブログランキング | 話題のタグを見る
「影法師」百田尚樹
「影法師」百田尚樹_c0045523_1022694.jpg≪「彦四郎は、死んでいたのか」≫
筆頭国家老になり、国元に戻った勘一は、絶句した。
勘一と彦四郎は、竹馬の友だった。





勘一は貧しい下級武士、彦四郎は中士の二男。
父の死の出会いの日から、学問、剣術とお互いに高め合っていた。
彦四郎は藩校一の秀才で、学問も剣術も抜きに出ていた。
上士からも一目置かれ、明るい性格で、誰からも好かれ尊敬されていた。
しかし、彦四郎は勘一が上だと才能を買っていた。

この先の二人の行方を、大きく左右する重要な一揆が起きる。
百姓一揆を起こした百姓は、磔死罪、受け入れた町奉行は、切腹。
子や孫、将来のことを考え潔く覚悟を決め、行動を起こした百姓たちと町奉行様。
勘一、彦四郎の心を大きく動かした。

多くの田ができれば、飢えることがない、米が多く収穫できれば、国は富む。
≪大坊潟干拓≫
勘一は、壮大な夢を彦四郎に語る。下士でその夢を叶えることが出来ない、
勘一は、彦四郎にその夢を託すと。
彦四郎は、「オレには、オレの生き方がある」と、断るが…。
勘一は、破格の出世をしていく。
一方、彦四郎は上意打ちの際、背中に傷を負いそこから悲運に見舞われる。
お互い疎遠になっていく。

勘一は、思い返す。なぜ?彦四郎は傷を負ったのか。
あの時も、思い留まり命を助けられた、あの時もあの時も・・・。
そうだ、すべて彦四郎が影となり勘一を助けていた。

≪大坊潟干拓≫見渡す限りの田圃が広がっていた、勘一は「彦四郎っ」と叫んだ。

切ない、どうして彦四郎は、ここまで自分を犠牲にして友の影になったのか。
お互いに協力して夢に向かうことは、出来なかったのか。
今の時代の私はそう考えるが、
生まれや身分が一生を決めるこの時代だから、影になったのだな。
〝侍〟の物語だ。

≪「お前はいずれこの国にとってなくてはならぬ男になる。」≫
≪「彦四郎ほどの男が命を懸けて守った男を、この手にかけることはできぬ」≫
by nonki27 | 2014-07-25 09:59 | よむ
<< 「東京プリズン」赤坂真理 「とにかくうちに帰ります」津村記久子 >>


のりのり27 のん気に行こう  
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
ライフログ
カテゴリ
全体
日々
野球
よむ
みる
はな
美技
めん
タグ
(50)
(33)
(18)
(18)
(17)
(14)
(12)
(10)
(9)
(9)
(9)
(9)
(8)
(8)
(7)
(7)
(7)
(6)
(6)
(6)
(6)
(6)
(5)
(5)
(5)
(4)
(4)
(4)
(4)
(4)
(3)
(3)
(3)
(3)
(3)
(3)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
以前の記事
2021年 03月
2020年 12月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
more...
最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
記事ランキング