時代は「大正」、「筑紫の女王」と呼ばれた美しき歌人・柳原白蓮(燁子)が、年下の恋人、宮崎龍介と駆け落ちした、あまりに名高い「白蓮事件」。
天皇の従兄妹で華族の白蓮は、筑豊の炭鉱王に嫁ぐ。(燁子26歳、伝右衛門51歳) その家の生活、人間関係は、お姫さま・燁子には、驚くものだった。 妾、妾の子、実子、養子…人間関係は複雑。 籠の鳥、行き詰る生活の中で、燁子は龍介と出会う。 龍介は、帝大の学生とはいえ平民。 階級を超え、愛を貫いたふたりの往復書簡は、七百通余りあったそうだ。 伝右衛門は潔く離婚してくれ、その後数年は燁子は厳しい暮らしを送る。 燁子が亡くなった時、龍介は≪「うちに来てからは幸せな人生でした」≫ときっぱり言ったそうだ。 伝右衛門もきっぱりと別れその後、燁子はのことを一切口にしなかったそう。 どちらがどうだと言えはしないが、二人の男どちらも芯がある、素敵だ。 燁子の周りの大正の女たちの生き方も、運命か不幸か、幸せって?考えさせてくれた。 ≪「人さまを恨んだり羨ましがったりはしまへん。つらいことあってもあきらめるだけです」≫ ≪女を憤怒させるのは嘲りや侮蔑ではない。それは同情なのだ。≫
by nonki27
| 2017-02-10 09:58
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