朝日新聞に連載されている山埼ナオコーラさんのエッセイ 『指先からソーダ』が好きだ。毎週、楽しみにしている。この人少し前に何かの賞を獲り 話題になったよね、気付いたら読みたくなった。
薄いし行間が多く空いているので、すぐに読み終わってしまった。一冊の小説を読む、最短記録かもしれない。 美術の専門学校に通う19歳のオレと、その学校で講師をしている20歳年上のユリのお話。 <人間関係は常に一対一だ。ユリとそのダンナの関係が一対一なら、オレとユリの関係も一対一。ダンナとの関係がどうであれ、オレとユリの関係は素晴らしいものだ。それでいいじゃないか、と、そのときはそう思うことができたのだった。> <自分に何ができるか、何ができないか、何が誇れて、何が欠陥か、そんなのはどうでもいいじゃないか。世界は広く、たくさんの問題に満ちている。とても辛い状況で、なんとか生きている人もいる。> オレはかわいい子が好きで、顔に好みがあると思っていたのにユリは違うようだ。好みや年齢差なんて関係なく好きになる。そして、恋が終わっても忘れられない。未練タラタラ。 思うような絵が描けない、楽しいと思えないことを続けても・・・ユリは絵を描くことに悩み、学校を辞めてしまう。 どうしてユリが絵を止めてしまうのか、趣味で続けたらいいじゃないか、オレには分からない。 ある人には何でもないことでも、ある人には重要だったり、こだわりとか人の思いの深さは人それぞれ違うのだ。一所懸命やっている人を他人がとやかくいうな、一所懸命やっている人を笑うなということだ。「人のセックスを笑うな」とは上手い。 エッセイが良くて期待が大き過ぎたのかもしれない、それだけに今後が期待です。
by nonki27
| 2005-11-16 21:42
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