大道さんの小説を読むと、主人公は必ずといっていいい、冷めている。
でも、ご本人は次々と作品を書き「素敵」の装画も、大道珠貴と書かれていたので創作意欲は熱いのだろうと思う。 定年退職した夫、妻は「家に居られると息が詰まる」と言う。妻が倒れ、夫は、子供たちには来なくていいと言い家事をする。夫が入院すると妻は、いきいき世話をする。 <あたしたち、こうして交代しながら年寄りになっていくつちゃろねぇ。> 仲がいいとか悪いとかを越えている関係なんだろう。 「素敵」ほか4編。夫婦、親子、姉妹、恋人、友人・・・・身近な人との関わりの本音のようなものが描かれている。 「カバくん」の主人公の高校生は、高校に入ったら勉強しないで遊ぶと決めていた。でも、学校の友達は、学校で会ってしゃべるだけ。家族の居ない家は落ち着く、いい子じゃないけど反抗はしない。家は、母が中心にいてくれることで成り立っている円満な家庭。自分は、母のような主婦になれるだろうかと思ってみたり、お友達を作りたがっている友人のことを、冷静な目でみている。 あつかましい友人に誘われ、お金持ちで人のいいカバくんの別荘に行く。カバくんとは仲良しでもなく、こっちは嫌われていると思っているのに。居場所に困ったり、早く帰りたいなんて思ったり・・そんな行動あるな。 気が乗らなくても、誘われたから行ったり、なんとなく行く。学校、会社、遊び・・・そして、今日は終わるのだ。そんな現実と日常が伝わってくる。 <きょうはきのうになり、あしたはきょうになる。きょうは、すぐきょうでなくなる。いまはすぐにいまでなくなる。友達も、友達でなくなり、恋人も、恋人でなくなる。友達も、恋人も、また新しくできる。どちらともつかないひとも、できるだろう。女友達も、できたり、いなくなったりするだろう。>
by nonki27
| 2005-11-24 20:53
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