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「ラッシュライフ」伊坂幸太郎
「ラッシュライフ」伊坂幸太郎_c0045523_15425125.jpg読み終わり・・・
お腹いっぱい?頭の中が満タン状態です。
うぁうぁこれは凄い、ちょっと整理してみよう。




新幹線の中、「金で買えないものはない」と言う、大金持ちの
画商戸田と画家の志奈子。そこから物語はスタート。

黒澤はプロの泥棒。
河原崎は新興宗教の信者。
幹部の塚本は、河原崎に神を解体しようと持ちかける。
河原崎は、高橋に救われた「高橋」は神なのか?
河原崎の父は自殺したその事が、常に頭から離れないで生きている。
京子は不倫相手の妻を殺そうとしている。
豊田はリストラされ、40社連続不採用の無職。

これらの人々の物語が、バラバラ殺人事件、窃盗事件、宝くじ・・・
次々と起こる事件の中で、黒澤の同級生・佐々岡、佐々岡の妻が京子と・・・繋がっていく。
次々・・・ではなく、時間は前後するし、場面はくるくる変わるし、
見逃せない(読み逃せない)って感じです。
で、最後に宝くじを手にするのは誰・・・

伊坂さん特有のユーモアと、絶望もあるけど救いもある、そして、登場人物の人の良さが、
とてもよく出ていた。
人の根の部分の人としての筋というのか、だって泥棒の黒澤は、泥棒に入っておきながら
何をしたかを書いた説明書きを置いていくんですよ。これぞプロの泥棒か。
老夫婦の強盗に「向こうは年金でこっちは無収入」「向こうは国民保険、俺は全額負担」
なんて思っているのに20万円あげちゃうし、面白い。
リストラされた豊田は職に飢えていて、無職の中年の悲壮感と妄想がなんとも笑えて、
豊田の章は一番面白かった。

≪世の中にはルートばかりが溢れている、とね。そう言ったよ。人生が道ならば標識と地図
ばかりあるのだ、と。ルートをはずれるためのルートまである。森に入っても標識は立っている。自分を見詰め直すために旅に出るのであれば、そのための本だってある。浮浪者になる
ためのルートだって用意されている。≫

人生の本筋から外れてしまったと言う、黒澤。
人生に本筋なんてあるのか、オリジナルの生き方なんて出来るのか。
人生に失敗したと言う、佐々岡。
「人生についてはだれもがアマチュアなんだ。誰だって新参加なんだ。プロであるかのような
顔をした奴もいるが、全員がアマチュアで、新人だと」黒澤は言う。
「なるほどなぁ」と声に出してしまうようなところが、ちらちら出てくるのも、伊坂作品の特徴。
教訓めいていないし、押し付けがましくもなく、さらりと出てくる貴重な言葉。

仙台に着く頃、戸田と志奈子は賭けをする。「私が金で買えなければお前の勝ちでいい」。
そして物語は終焉を迎えます。

ふうぅ・・・平面の文章がどんどん何角形もの立体になるというのか、パズルがだんだん
はまっていくと言うのかなんとも、緻密な構成でした。
しかし・・まだまだかも、私には読み解けていないのかも。
二度読んだよ、また読んだらまた何か違うものが見えてくるかも・・・
by nonki27 | 2007-11-04 15:41 | よむ
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